来春の将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催)で渡辺明名人(36)=棋王、王将とあわせ三冠=に挑戦する権利を、実力トップ10のA級棋士10人が総当たりで争っている「第79期将棋名人戦・A級順位戦」の6回戦(全5局)のうち4局目の対局として、羽生(はぶ)善治(よしはる)九段(50)と豊島(とよしま)将之(まさゆき)竜王(30)=叡王(えいおう)とあわせ二冠=の対局が12月25日、大阪市福島区の関西将棋会館で指された。後手番の豊島竜王が128手で勝ち、今期A級での成績を4勝2敗とした。敗れた羽生九段は2勝4敗となった。終局は、12月26日午前0時44分だった。
両者は10~12月に第33期竜王戦七番勝負(読売新聞社主催)で対戦したばかり。豊島竜王が対戦成績4勝1敗で羽生九段の挑戦を退け、豊島竜王がタイトル初防衛を達成した。タイトル獲得通算99期の羽生九段は、100期の大台到達がかかっていたが、惜しくも逃していた。
豊島竜王は、竜王戦七番勝負に続き、A級順位戦でも羽生九段に勝利。羽生九段からすると、竜王戦敗退のリベンジを、今回は実現できなかった形となってしまった。
「危険そうにみえる先手玉」村山七段が解説
第79期名人戦・A級順位戦6回戦の羽生善治九段―豊島将之竜王戦は、両者1分将棋に突入する大激戦。形勢も二転三転した模様だ。本局はAbemaTVで中継されたが、AIによる評価値では優勢な局面で羽生九段が投了した形となったため、話題になったようだ。その場面を、朝日新聞の解説のため、感想戦にも立ち会った村山慈明(やすあき)七段(36)に解説してもらった。
終了図は、128手目△6五歩…
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