Monday, October 12, 2020

郵便投票急増、集計遅れ必至 米大統領選 - 日本経済新聞

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郵便投票に向けて準備する担当者(9月、米ノースカロライナ州ウエーク郡の選挙委員会)=ロイター

郵便投票に向けて準備する担当者(9月、米ノースカロライナ州ウエーク郡の選挙委員会)=ロイター

【ワシントン=中村亮】投開票まで3週間の米大統領選で、結果判明が遅れる可能性が強まってきた。今回は新型コロナウイルス感染防止のため「郵便投票」を選ぶ有権者が大幅に増える見通しだが、投票日まで郵便投票の開票を待つ州もあり集計の遅れは必至だ。

「制御不可能だ」。トランプ大統領は9日、激戦の中西部オハイオ州で5万人分の投票用紙が誤って郵送されたニュースにかみついた。

トランプ氏は郵便投票の急増で混乱が起きると主張してきた。オハイオでの誤配送はその証拠の一つだとみる。郵便と投票所で「二重投票」が起きるとも指摘し、選挙で負けた場合は法廷闘争を示唆している。

郵便投票は自宅に郵送された投票用紙を返送するだけで投票が完結し、有権者は他人と接触せずに済む。コロナ対策には有効だが、集計には時間がかかる。6月の東部ニューヨーク州での民主党下院予備選では、郵便投票の集計が滞って結果判明に6週間を要した。

郵便投票の集計に時間がかかる理由は、一部の州で(1)選挙日まで集計を始められない(2)選挙日から一定期間内に届いた票も有効――などの規定があるためだ。

東部ペンシルベニア、中西部ウィスコンシン州は11月3日まで集計を始められない規定がある。一方、西部アリゾナ州は投票日14日前に集計を始め、南部フロリダ州も同22日前と余裕がある。

選挙日以降に郵送で到着した票を有効とみなす州もある。中西部オハイオ州は郵便投票の急増で郵便システムが混乱することを想定し、消印が11月2日までであれば選挙日から10日後までに到着した票をカウントする。激戦州ほど僅差で勝者が決まるため、遅れて到着する票を無視できない。

本人証明の難しさもある。フロリダなど多くの州は封筒のサインと、州当局に事前登録されたサインが一致するかを照合する。当局はサインの大きさや筆跡のなめらかさ、文字の傾きなどで有効性を判断するが、判断が主観による面が大きく、作業に手間がかかる。

前回の2016年大統領選では郵便投票の割合は20.9%(米ピュー・リサーチ・センター推計)だった。米メディアによると、今回は50%を超えるとの推定がある。通常は投票終了から数時間で大勢が判明し敗者が敗北宣言するが、今年は円滑に勝敗が決しないとの見方が多い。

バイデン前副大統領は郵便投票を促してきたため、郵便投票はバイデン票が多くなる見通し。11月3日の開票速報では、選挙日に投票所での直接投票が多いトランプ氏が先行し、郵便投票の集計が進むに従ってバイデン氏が追い上げるとの予想がある。

大統領選では歴史的に西部カリフォルニアやニューヨークは民主党候補、南部アラバマや西部ユタは共和党候補などと勝者がほぼ固まっている州がある。全米50州のうち少なくても30州程度は郵便投票と無関係に大差がつき、開票後に早めに大勢が判明するとみられる。郵便投票が影響するのは僅差の激戦州だ。

郵便投票の方式は大きく分けて2つある。一つは全登録有権者へ自動的に投票用紙を送る方式で9州が採用する。有権者の申請を受けて投票用紙を郵送する州もあり、主な激戦州はこの方式だ。

米メディアによると、東部ペンシルベニア州の郵便投票用紙の申請は16年に比べ23倍に増えた。申請者は記入後に用紙を指定場所に持ち込むこともできるが、大半は郵送を選ぶとみられている。

アメリカ大統領選挙

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