信州セラミックス(長野県大桑村、桜田理社長、0264・55・1221)は、自社製セラミックス系機能性粉末材料「アースプラス」の増産に乗り出す。同材料は光触媒反応などを利用し、たんぱく質分解作用による抗菌・抗ウイルス機能などを持つという。大手インテリアメーカーの寝具向けに本格採用されたことを受け、増産に踏み切る。2020年6月期の売上高は3億円以上の見込みだが、3年以内に5億円台まで引き上げる。
アースプラスは酸化チタンとハイドロキシアパタイト、銀の3成分が主原料。アパタイトが吸着し、たんぱく質を光触媒反応などにより分解する。さらに銀の配合により、暗闇でも分解作用を持つ。
今回、大手インテリアメーカーが寝具向けに本格採用した。「秋口には大手スポーツ用品メーカーによる採用も見込まれる」(桜田社長)ことから、21年6月期中にも2000万円以上を投じてアースプラスの製造装置1台を導入する計画だ。
信州セラミックスは新型コロナウイルスの感染拡大を受け商談が急増している。アースプラスの供給に余力はあるが、アースプラスを使った不織布などを委託加工する協力工場で生産が間に合わない事態が生じている。19年10月には中国で認可を受け、現地メーカーがマスク製造を始めているが、「アースプラスを含有する不織布の供給が間に合わない」(同)状況だ。
同社が製造したアースプラスは協力工場がマスクのフィルター用不織布やマスク自体に加工し、OEM(相手先ブランド)供給している。また、約30社の企業にアースプラスのライセンスを供与し、抗菌や抗アレルギー機能を持つ衣料やアメニティーグッズなどが商品化されている。
日刊工業新聞2020年2月28日
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