Thursday, September 17, 2020

大林組らが、生分解性を有する材料を採用したテールシール充てん材を開発 - BUILT

 大林組とENEOSは、シールド工事でトンネル内への地下水の流入を防止するテールシール充てん材の素材に、生分解性を有する材料を用いた「シールノックBD」を開発した。

テールグリース圧送時のポンプ負荷を従来品と比較して3割削減

 シールドマシンは、後方でセグメントを組み立てつつ、前方の地山を掘削し前進する。シールドマシンの後端部にはテールシールと呼ばれる止水機構が備えられており、セグメントと密着させることで、シールドマシン内に地下水が流入するのを防ぐ。テールシールは主にワイヤブラシと鉄板から成り、ブラシ自身やセグメントと密着する部分に常に充てん材(テールグリース)を補給することで地下水の流入を抑えている。

テールシールの構造図 出典:大林組
テールグリース給脂のイメージ 出典:大林組

 しかし、テールシール内に裏込め注入材※1が混入し固結すると、テールシールの柔軟性が著しく低下するため、最悪の場合セグメントを損傷させることがあった。解決策として両社は、裏込め注入材が混入しても固結しにくいテールグリース「シールノックCR」を共同で開発し、2016年の販売開始以来、多くのシールド工事現場で適用してきた。

※1 裏込め注入材:セグメントはシールドマシンの中で組み立てられるため、セグメント外径はシールドマシンの掘削外径よりも小さくなる。裏込め注入材は、両外径の差によって生じる隙間を埋めるために注入するセメント系材料を指す。シールドマシン掘進後の地山の緩みを防ぐとともに、セグメントを地山内に固定する目的で、一般的に掘進時にセグメントに空けた穴から注入される。

 しかし、シールノックCRは、シールドトンネル付近の地層からの地下水が利用されている場所などでは、地下水にテールグリースの油成分が流出する可能性があるため、両社は、シールノックCRの利点を備えつつ、主成分に生分解性を有する材料を用いたシールノックBDを開発した。

左から、シールノックBDの外観、ペール缶の荷姿、ドラム缶の荷姿 出典:大林組

 シールノックBDは、高い生分解度と生物への安全性を有することが認められ、日本環境協会 エコマーク事務局からエコマークの認定を受けた。また、高い止水性により、トンネル内の安全性と作業性を確保する。テールグリースの止水性能を計測する耐水圧試験と施工現場での適用試験で、シールノックCRと同等以上の止水性があることが判明した。

裏込め注入材混入後のちょう度の経時変化のグラフ 出典:大林組

 さらに、裏込め注入材が混入しても、圧送可能な軟らかさ(ちょう度)をシールノックCRと同様に混入後、約24時間保つ。固結を防ぎながらちょう度を保持することが可能なシールノックBDをテールシールに常時補給することで、高い止水性を維持するとともにセグメントの損傷を防ぐ。

 加えて、比重が軽いため、給脂ポンプで圧送する際のポンプ負荷を軽減する。試験室内での圧送試験と施工現場での適用試験で、テールグリース圧送時のポンプ負荷をシールノックCRと比較して約3割減らせることを確かめている。

グリース圧送試験の結果 出典:大林組

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