鍋だけじゃない、旬のあんこうの食べ方をご紹介します。あんこうが産卵を前に栄養を蓄え、肝が大きくなって美味しくなる季節です。高級魚というイメージが強く、食卓ではなじみのない方もいるかもしれませんが、実はここ数年、とれ高がよく、スーパーなどでも手ごろな値段で手に入るようになりました。
そこで今回は魚の魅力を伝える“魚の伝道士”ウエカツさんこと上田勝彦さんに、肝と味噌で煮つけた「どぶ汁」と、外はサクッと中はふっくらジューシーな「から揚げ」を教えてもらいました。
味の決め手は肝と味噌(みそ)!“あんこう”の水分だけで煮込む“どぶ汁”
どぶ汁は、昔から漁師が浜で食べていた漁師料理です。味付けは、肝と味噌とねぎ。水は一切使わず、あんこうの水分だけで煮るのが特徴です。身や骨、ヒレや皮を丸ごと使った濃厚な味わいが楽しめます。
<材料>※分量はお好みです
・あんこう(肝・身・皮・ひれ・骨 など)
・大根
・ねぎ
・細ねぎ
・七味唐辛子
・みそ(辛めの仙台味噌)
・酒
・砂糖
<作り方>
(1)肝を流水で洗い、臭みの原因となる血をきれいに取り除く
(2)鍋に酒を入れ、ぶつ切りにした肝をつぶしながら味噌と混ぜ、みじん切りにした細ねぎを加えて混ぜる
(3)最初に水の出やすい皮・ヒレを入れ、次に骨を入れて煮立たせる
※焦げないよう弱めの中火でフツフツ程度に加熱する
(4)水分が出てきたら火を少し強めて中火にし、ねぎと大根を入れる
(5)砂糖を入れて味を調え、大根に火が通ったら、身を入れてひと煮立ちさせたら完成
身は淡泊だけど味がしっかりしていて、ホタテの貝柱みたい!
ところどころで皮のプルンとした食感があってすごくおいしい。
翌日、煮返して食べると、皮はトロトロ、骨からも身がほろほろ取れ、これがまたおいしい。
あんこうだけにしかない深さ、アンコウワールドだね!
外はサクッと中はふっくらジューシー!あんこうのから揚げ
あんこうは水分が多いので、揚げ方を失敗すると、べちゃべちゃになってしまいます。そこで、片栗粉と小麦粉の2種類を使って、サクッとジューシな仕上がりにしていきます。
<材料>※分量はお好みです
・あんこう(身の部分)
・にんにく
・塩
・こしょう
・酒
・薄口しょうゆ
・みりん
・片栗粉
・小麦粉
<作り方>
(1)あんこうの身をやや厚く切る
(2)あんこうに下味をつける
【塩味】酒・塩・こしょうで味をつける
【しょうゆ味】しょうゆ・みりん・にんにくで味をつける
(3)片栗粉をまんべんなくつける
※あんこうから出る水分を片栗粉で吸わせる
(4)小麦粉をまんべんなくつける
※カリッと香ばしい仕上がりにするため、小麦粉をしっかりつける
(5)塩味のから揚げ⇒しょうゆ味のから揚げ、この順で揚げていく
※しょうゆ味から揚げると油にあくが出てくるため、塩味から揚げる
(6)こんがり揚がればできあがり
外はカリっとしていて、中はふわふわ。淡白な味なのに、鶏肉のようなうま味もあっておいしい!
あんこうは、加熱の仕方で味が変わってくる。鍋もいいけど、高温でカリッとあげるから揚げも絶品!
ぜひ、味わってもらいたいね。
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