2020年07月16日20時13分
藤井聡太七段(17)が史上最年少記録で初タイトルを獲得した。棋力が充実し、「現役最強」とも言われる渡辺明棋聖(36)を相手に3勝1敗の堂々たる結果。世界最強の将棋AI(人工知能)による解析と、同じプロ棋士の目に映る藤井七段の姿から、その強さと「同世代」の不在という意外な懸念材料が見えてくる。
◇6億手読んだら最善に
藤井七段の読みの深さが垣間見えたのが、今回の5番勝負の第2局、58手目に指した「3一銀」だ。形勢が良い状況で、貴重な戦力の銀を守りに使ったため、解説陣からは疑問の声も上がったが、その後、衝撃が駆け巡った。
5月に世界コンピュータ将棋オンライン大会で優勝した将棋AI「水匠」を開発した弁護士の杉村達也さん(33)が、この局面から可能な指し手を水匠に4億手まで読ませても3一銀は候補に挙がらなかったのに、6億手まで読ませると「最善手」として現れた、とSNSで発表したのだ。
ただし、これは「6億手『先』まで読んだ」という意味ではない。杉村さんによると、28手先までの計算に当たるという。水匠など現在のトップレベルの将棋AIは、「トップ棋士と1万回対局しても1回負けるかどうかの実力」と言われる。「そんなAIが27手先まで読んでも候補に出て来ず、28手先まで読んだら最善手であることが分かった手だった」と、杉村さんは感嘆する。
◇違うものが見えている?
その3一銀は、同じプロ棋士の目にはどう映ったのか。明快な解説に定評のある飯島栄治七段(40)は「従来の将棋の常識から逸脱している手。持ち駒の銀は、普通は攻めに使いたいと感じるもので、打たれるまで私は全く想定していなかった」と苦笑する。
その上で「あの局面、もっと良く見える手が他に三つほどあったので、普通は3一銀を指すことはない。にもかかわらず3一銀を選んだということは、普通とは違うものが見えているとしか思えない。これから、さらに進化していくのではないか」と話す。
◇「同世代」の不在
藤井七段は、七冠同時制覇や永世七冠を達成した将棋界の「レジェンド」羽生善治九段(49)とよく比較されるが、飯島七段は「羽生先生に対して、藤井さんが明らかに恵まれていない点が一つある」と指摘する。羽生九段は、「羽生世代」と呼ばれる多くのライバルたちと激しく競い合いながら強くなっていったが、藤井七段にはそういう「同世代」がいないのだ。
「会社員で言えば、同期が誰もいなくて、親しく接する相手が上司ばかりみたいな環境。これはちょっとつらい。これからプロになってくる同世代の中から好敵手が出てくれば、藤井さんはさらに強くなり、棋士人生も豊かになるはず」と話す飯島七段。今なお進化途上にある最年少棋士がどんな未来を切り開いていくのか、目が離せない。
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July 16, 2020 at 06:13PM
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AIが明かす藤井七段の強さ 懸念材料は「同世代」の不在―将棋 - 時事通信
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