前回5月分の雇用統計は非農業部門雇用者数(NFP)が750万人減の予想に対して、250.9万人増と、大きなサプライズとなりました。予想値との約1千万人という乖離は前代未聞のことでした。
新型コロナウイルスの感染拡大と、拡大防止のためのロックダウンなどの措置により、4月に2000万人を超える統計開始以来の雇用減を記録したNFP。5月時点ではまだ状況の改善が進んでおらず、失業保険の継続受給者数が高い水準でとどまっていたこともあって、続けての大きな雇用減を見込んでいましたが、ロックダウンを緩和した地区などの雇用の回復が目立つ形で、大きな雇用増となりました。
失業率も14.7%から19.0%への大きな悪化が見込まれていましたが、13.3%に改善しています。
週ベースでの失業保険の継続受給者数が5月分の雇用統計の調査期間である12日を含む週で2100万件程度と、4月の同1800万件程度から拡大しており、雇用情勢が悪化しているとの見通しが広がっていただけに、相当な驚きとなりました。
ロックダウンの影響を最も強く受けた業界の一つ、レストラン・バーなど飲食関連部門及びホテルなどのアコモデーション部門の雇用者が、約120万人の大幅雇用増を記録したことなどが背景にあります。その他、建設業の46.4万人増、小売業の36.8万人増など、テレワークが難しく一時雇用が大きく減少していた業種で軒並み雇用が大きく改善していました。
ロックダウン緩和が早い段階での雇用の回復に結び付いたとの、今後への期待感につながった形です。
こうした状況を受けて今回の6月分ですが、非農業部門雇用者数は300万人増と、前回からのさらなる大幅増が見込まれています。
失業保険の継続受給者数は6月12日を含む週で1952万件と依然高水準、新規失業保険申請件数も154万件と高水準を維持しており、米国の雇用情勢は決して強いとは言えませんが、4月に一気に2000万人以上も雇用が減った後だけに、ロックダウン緩和の影響がもう一段出るという期待が広がっています。
前回全体を押し上げた飲食及びアコモデーション部門は、3月、4月に計約700万人の雇用減を記録、同部門を含むレジャー&ホスピタリティ分野(上記に芸術・アミューズメントなどを加えたもの)では800万人を超える雇用減となっており、前回の大幅な雇用増を受けても、まだまだ回復の余地がある部門となっています。
建設部門は比較的雇用の回復が早いですが、3月・4月の106万人の雇用減のうち、5月の回復は半分以下の46.4万人。小売部門に至っては237.1万人の雇用減のうち36.8万人の回復にとどまっていますので、今回大きく回復する余地は十分にありそうです。
失業率も13.3%から12.1%への改善が見込まれています。
新型コロナウイルスでの雇用減の約7割が一時解雇であり、職場環境が戻れば雇用が回復するとの見通しも、雇用の回復期待につながっています。
ただ、百貨店大手JCペニー、衣料品大手Jクルーなどが相次いで破綻したように、米企業の疲弊も見られます。雇用の最大の担い手である飲食部門でも、先週アミューズメントレストランチェーンを経営するCECエンタテインメントが連邦破産法第11条を申請するなど、状況はかなり深刻となっています。期待ほどの雇用の回復が見られない可能性は十分にあります。
米国では、テキサス州、フロリダ州、カリフォルニア州などで1日当たりの新規感染者数が5000人を超え、全米規模でも24日にこれまでで最多の感染者数を記録するなど、新型コロナウイルスの感染第2波の動きが強まっています。
テキサス州などはロックダウンの段階的緩和を停止するなど、これ以上の拡大防止に向けた動きを強めていますが、状況が収まらない場合、ロックダウンの再開などの可能性も十分に出てきます。
こうした状況で雇用統計が予想を大きく下回ってきた場合、リスク回避の円買いが広がる可能性がありますので、要注意です。
MINKABU PRESS 山岡和雅
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June 27, 2020 at 03:10PM
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【来週の注目材料】前回は前代未聞の予想との乖離幅に、さて今回は<米雇用統計> 投稿日時: 2020/06/27 17:10[みんかぶFX] - みんなの株式 - みんなの株式
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