住友金属鉱山が生産するリチウムイオン電池向け正極材ニッケルマンガンコバルト酸リチウム(NMC)が、トヨタ自動車が2月に発売した小型車「ヤリス」のハイブリッド車(HV)に採用された。正極材の組成や物性の最適化を図ることで、HV用リチウムイオン電池の性能向上に寄与した。世界的な環境規制強化を背景に自動車の電動化が進む中、高性能な二次電池の開発や供給に対する期待が市場で高まっている。住友金属鉱山はヤリスの世界最高レベルの低燃費を電池材料の面から支えるとしている。
住友金属鉱山はこれまで約20年余りにわたりトヨタ自動車などをはじめとする顧客と共同で、電気自動車(EV)やHV用の二次電池向け正極材を開発・製造してきた。
二次電池の主要4部材(正極材、負極材、電解液・電解質、セパレーター)の中でも、正極材は電池の高性能化・高容量化のカギを握る。より航続距離の長いEVや燃費の良いHVが求められる中で、高性能な正極材の需要は、今後さらなる伸びが見込まれている。
住友金属鉱山は、2027年度を最終年度とする「2024年中期経営計画」で、電池材料事業の目標として「電池正極材・月産1万トン体制の構築」を目指している。
日刊工業新聞2020年3月13日
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March 13, 2020 at 09:53AM
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